2008年4月11日金曜日

ダライ・ラマ14世が会見。中国は現実を受け入れるべき、と強調。



【4月10日 STN PRESS】

ダライ・ラマ14世は10日、米国訪問のトランジットで日本に立ち寄り、千葉県成田市内のホテルで記者会見を行った。3月10日のチベット騒乱以降、ダライ・ラマ14世が亡命先のインド以外で、見解を明らかにするのは初めて。

今回のアメリカ訪問では「人間の価値を重視すること」、「思いやりの心を持つことで人は心身が健康になること」「宗教間の調和の大切さ」についてアメリカで講演するのであって、政治的な目的ではないと前置きしたうえで、質問を受け付けた。

オリンピックについて、「中国は長い歴史を持った人口の多い大国で、オリンピック開催国にふさわしい」と述べ、もし奇跡が起こって開会式に招待されたらどうするかという質問に、「それが実現するなら、私もオリンピックを楽しみたい」とおおらかな笑顔で答えた。

各地で聖火を巡る混乱が起きていることをどう思うかという質問に対し、サンフランシスコのチベット人に暴力は絶対に振るわないようにすでに自制を呼びかけたと語った。
「ただし、人は自分の気持ちを表現する自由がある。誰にも“黙れ”という権利はない。それが民主主義だ」と述べ、「中国のチベット人には、表現の自由がない。その憤りが表出した」と今回の抗議運動に深い理解を示した。

チベット自治区の自治とは言葉だけで、真の自治は行われていないことを訴え、「世界的遺産であるチベット仏教と独自の文化、教育、環境に対する自治を欲しているのであり、独立を求めているのではない」と強調した。
また、「数千人のチベット人を犯罪者扱いしているが、非暴力の行為は犯罪ではない」と指摘。

チベット自治区だけでなくウィグル自治区でも怒りが表出していることを述べ、「中国政府は現実を認め、受け入れる時がきている。暴力による弾圧は時代遅れで、現実に基づいたアプローチが必要だ」と力強く表明した。

さらに、国際的調査団による調査の必要性を述べ、「21世紀の調和のとれた世界は、信頼を基盤にして、相互の尊重、平等、透明性によって発展する」と語り、「中国が超大国になるためには、道義的正義が必要であり、中国は論理的に考え、前向きな貢献を世界のために果たすべきだ」と訴えた。

会見終了後は米シアトルに向けて出発。米国にはニューヨーク州などに約2週間滞在し、講演会や法話を行う。
尚、セーブ・チベット・ネットワークの呼びかけ人、牧野氏は会見後、ダライ・ラマ14世と共にシアトルへ向かった。

>> ダライ・ラマ法王会見の全文書きおこし